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「建築に何が可能か-有孔体と浮遊の思想の55年-」展を見ました 感想パートⅡ

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「建築に何が可能か-有孔体と浮遊の思想の55年-」展を見ました - Qu'en pensez-vous?

「建築に何が可能か-有孔体と浮遊の思想の55年-」は、無料なのが申し訳ないくらい、お金を払って見てもいいくらいの内容だったと思います。

書籍「住居に都市を埋蔵する」の中には、今回の展示にあったのと同じ図面や図版類が沢山掲載されていますので、あの本で見た図版の本物だ、という感じで見たものも一部にはありましたね。意外にも建築雑誌は、建築写真と建築理論のお話しか載らないから、ビハインドザシーンみたいのは普段は非公開ですからね(「GA JAPAN」はPLOTがあるけれど)。そもそも今は手書きというのが珍しいのかもしれないし。制作プロセスの手書きの類のものを見ることができて、線を引いたり、絵を描くお仕事、手を動かして構想を描くお仕事なのだなあ、ということや、建築は構造や安全性や予算以上にやはり設計者の美術や芸術の能力的なものもかなり大きい部分を占めるのだな、ということが伝わって来ました。そういう手仕事類が見甲斐がありました。この展示にあるのは、ごく一部なのだろうことを考えると、膨大な量の図面や模型や習作類があることが想像されますね。

伊藤邸が取り壊されたということですが、取り壊された建築という点では、そう言えば、取り壊されたヒルポートホテル(渋谷)というのがあったんじゃないかと思うんですが、あの船型風なのは、今は、瀬戸内の方の建築「みなと交流センター」にその船型のイメージだけ受け継がれているのかな、と思いました。あれは外壁が黒塗りの木だったと思うけれど。
札幌ドームはどうなってしまうのだろう。球団がいなくなってしまったけれども。サッカーの方やその他のイベントでは継続して存続して行けるのでしょうか。
少し前の「カーサブルータス」で、女優の鈴木京香さんが吉阪隆正の住宅を継承したという話が載っていましたけれど、そんな感じで、資金力があって建築に関心がある人が、何とか巨匠の建築を救ったりということをしていかないと大変なことになってしまうのではないかなあ。

この展覧会と連動してのことだと思いますが、朝日新聞の文化欄の人生の贈りもののコーナーに、原広司さんのインタビューが14回に亘って掲載されていたようですね。ディスクリートシティ後ももう結構長くなるし、WALLPAPERSとかもあったし、建築も幾つも新作が出て来ていたのだし、14回どころか18回くらいまで連載があっても良い気はしました。建築家伊東豊雄さんの人生の贈りものの連載は全16回だったから、16回までは行くのではと思ってました。

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朝日新聞に伊東豊雄さんのインタビュー連載がありました - Qu'en pensez-vous?