新海誠監督の映画「すずめの戸締まり」見て来ました。「天気の子」は私は見ていないのでちょっと比較はできないですけど、「すずめの戸締まり」、すごく良くできていて傑作と呼んでいいのではないかな~と見ながら思いました。
しかし、実際に、災害で身近な人を失った人たちが見たら、こんなふうに思えるのかどうかは不明。見ることすらできないのではないのかなあと思った。
「すずめの戸締まり」を見たきっかけは、3.11のことが出てくると知ったので、それほど私自身は被害は受けていないのだけど、やはり3.11は大きなショックでトラウマになったことは確かで、恐かったし、悲しかったし、できることなら乗り越えられるのなら乗り越えたいし何らかの解消法があるなら知りたいという隠れた希望はあったと思います。
地域差的なこともあるかもしれませんが、私の場合は3.11の時、外にいたのだけど近所だったので急いで帰宅しましたが、室内の被害はそれほどなく、お皿が割れた程度でした。その時住んでいたのは耐震性の良い新築賃貸マンションでしたが、下層階の外壁タイルが崩れ落ちるなど、随所で細かい被害があり建物が傷んでしまっていました(なんか、外壁傷んだのは他の時の地震と記憶が混ざってしまっているかも???他の地震の時のことかもです)。黄色い物質がマンション共有部分に堆積していたのを覚えている。黄砂だと発表があったようだったけど。
映画を見て、トラウマが解消できたかというと、できてはいないように思いました。ただのお話、と言ってしまえばお話。話としては面白かったと思うし、見応えもあって、アニメ作品というよりアクション映画さながらでした。ロードームービーではあるのだけど、レビューでも盛んに「ロードムービー」の文字を見かけたけれど、アニメなせいか、あまりロードムービー感を感じず、私はアクション要素の方を強く感じました。
やはり思うのは、何度も書くけど、実際に身近な人を災害で失くした人は、こうした映画を見ることはできないと思う。それに、3.11は地震だけは済まなかったというところが問題で、そこの問題は放置されたまま。地震だけでなくそれも恐かったわけだし。原発事故があった日に着ていた服もコートも靴も、私は全部捨てたほどでした。原発事故から数週間後に雨に降られて濡れてしまった高価な1着だけ、捨てられずに取って置いてある服があるけれど、ひょっとしたら、高い放射線量を観測するのかも。
こういう災害系の話を映画にして商売をするのはあまり良いこととは言えないかもしれない。
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