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「エネルギーをめぐる旅」を読みました

「エネルギーをめぐる旅 文明の歴史と私たちの未来」

古舘恒介 著

英治出版

 

を読みました。

一体どういうきっかけでこの本を買って読もうと思ったかすら忘れてしまいました。多分、時事問題系~世の中のことがわかる系の本、特にエネルギー関係とか資源とか、そういう枯渇しかけている分野をどうするのかなあというのがわかる感じのものを漁ってネットサーフィンしているうちに目に入ってきたので読んでみようと思ったのではないかと思います。

偶然見つけて買って読んで見た割には、これ、とても良い本でした。途中、読んでも読んでも終わらないので、どうしたのかと思ったら、400ページ越えの本だとわかって、そういう点、電子書籍だと、本の厚さとか、全貌がよくわからず読み始めてしまうので後からびっくりという感じです。

一見、「サピエンス全史」を下敷きにして書いているのかな、とも思ったりもしましたが、理系の立場から書かれているので、「サピエンス全史」よりこの「エネルギーをめぐる旅」の方が、親自然的な視点で書かれているため、より明晰な感じがして好感度は高かったです。理系の方、あるいは高校で理系の人とか、理科で生物学を選択している人とか、高校生でもわかるようなことも書いてあるように思います。

最初、火の話から始まって、その時点ではあまりピンと来なくて『???』という感じだったんですが、第2章農耕のエネルギー、のところの中見出し「農耕により人類は太陽エネルギーを占有した」という一文によって、農耕は太陽エネルギーを利用したものであるという事実に、私は突如としてハッと気づき(全くもって当たり前のことに気がつかずに生きていた!)、びっくりして最後まで読み進んで行きました。

内容は盛り沢山でしたが、結論はシンプルでよくわかったので、その通り、心かげて暮らしたいと思いました。

読んでいて思い出したのは、昔から常々思っていたこととして、エネルギーって、何か回転させたり動かさないと取り出すことができないものばかりで、すごく不便なものにしか思えなくて、どうしてそのまま取り出せないんだろう、という疑問がずっと心の中にありました。そういう点で、太陽のエネルギーと植物の関係は、すごくよくできていて素晴らしいのだなあと思ったりしました。

個人的には、この著者の方にとって、戦争って、エネルギーの観点から言って、どのような位置付けになるのか、という辺りも知りたいな~と読みながら頭に浮かんで来ました。もし続編が出たりするなら、その辺も語って頂きたいな~と思いました。

あと、環境活動家のグレタちゃんとか、こういうの読んだ方がいいかもと思いました。というか、グレタちゃん自身がこの本に匹敵するくらいの論文を書いたらいいんじゃないかな~と思いながら読んでました。

ちょうど今、ガソリンも食べ物も物価上昇が激しいですが、そういう意味でも、エネルギーに関する問題ですので、読むのにちょうどタイムリーな内容となっていると思います。

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