私自身、非常にキッチン滞在時間が長い。料理をきちんと毎日作るということもあるかもしれないけれども、家事動線がキッチンから派生したようになっていてキッチンから洗濯機方面への移動が容易にできる。そのため、家の中での自分自身の定位置が家事がし易い場所へとどんどん固定化してしまっているように感じる。女性であればキッチンに付きっ切りになるのは珍しくも無い光景のようにも思える。
しかし少し前に見た以下の書籍↓
至れり尽くせりの住宅の実例が見られる1冊 - Qu'en pensez-vous?
の12ページには、家事に追われないシステムについて書いてあり、
更に、36ページに、調理時間を短くする、という記述があったのを見て以来、かなり衝撃を受けている。
料理好きには、キッチン滞在時間は長ければ長いほど良いのであるし、キッチンに立つのは当たり前のことだと思っていた。事実、雑誌「モダンリビング」などのキッチン特集の回では、キッチンは滞在時間が長いからと、長くいる場所であるのを前提として話が進んでいる場合が多かったりもする。料理好きとしてはそれを当然と思って読んでいた。
しかしながら、人生はそればかりではないことに気付かされた。
考えてみた。もっと書斎スペースが充実していたら。制作をするアトリエをきちんと確保していたなら。トレーニングスペースを作っていたならば。もっとしっかり大きめのクローゼットを作っておいたならば。うちの子にしてみたら防音音楽ルームがあったなら、などと言い出すかもしれない。
人生をどうしたいのかを考えて、それに対して空間をしっかり確保する。そうすると人生が変わるのかもしれない。急にそのようなことを思った。
場を作ると、そのような人生になってしまう。
至れり尽くせりの住宅の実例が見られる1冊 - Qu'en pensez-vous?
「MODERNLIVING245」や「GA JAPAN164」で田根剛さんの建築を見かけ、時代の気分に合っていると感じた - Qu'en pensez-vous?