Qu'en pensez-vous?

空間について考えます

時間についての認識の変化は人生観にも影響を及ぼす

カルロ・ロヴェッリ著『時間は存在しない』2周目の感想 - Qu'en pensez-vous?

「時間は存在しない」を読んだ - Qu'en pensez-vous?

前々回のブログ記事で書いているように、カルロ・ロヴェッリ著『時間は存在しない』の2周目読書をした後から、心境に変化があって、1回目の時より内容をよく理解したためか、価値観にかなり大きな変化が生じた感じがします。
何か、大きな癒しのようなものすら得られたような気がします。
物事の因果関係から逃れられるような視点が得られたような気がするし、悪い事柄も、実は自分が思っているようなものでは無いのではないかと思えるような、何か赦しのような、大いなる癒しすら得られるような感じがしています。物理学者が書いたものを読んで、そんなことを感じるとは大変奇妙ではありますが。しかし、哲学的な内容を含んでいるのは事実です。

全仏オープンと言えばこの人 - Qu'en pensez-vous?

1つ前のブログ記事で書いているように、翌日に響くし、わざわざ夜更かししてテニスを観戦したのも、『時間は存在しない』を読んで思うところがあったからでした。今現在を大切にしないと。

時間やこの世界がどうなっているのかについての認識に変化があったことで、今この瞬間を大切にしなければならない、という思いが強くなりました。楽しみにしている試合は録画で見るべきでない、可能ならばリアルタイムで見ないと、と。

とても変化しました。カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』、この本、人生に対してとても影響力があります。

一方で思ったのは、もしも70歳とか80歳とか、自分がそのような老人になった時には、多分何もすべきことが無くて、時間も気にせず延々とテレビを見続けている暇な時間があるようになるのかもしれない、ということ。今の自分は、するべきことがあって忙しいから、時間を気にして〇時に寝なければ明日に響く、と言っていられる。ところが将来何も義務がなくなって、有り余る不要不急の時間を生きなければならなくなったらどうするのか、そんなことまで考えてしまいました。

その時突如として思ったのは、スタートレックDS9(ディープスペース9)というシリーズがあるのですが、DS9の司令官のあるセリフが回想されました。その司令官は、辺境の宇宙基地の自室で一から料理を作るのが趣味らしいのですが(というのは、レプリケーターという便利なフードマシンがあるので料理などしなくても口で言えばすぐに食べ物は物質化して出てきます)、料理をしながら、確か、宇宙暦?か西暦何年何月何日の大リーグの試合のことを事細かく、たった今見て来たかのように描写するシーンがあったはず。
そのシーンから連想したのは、たぶん私だったら、老人になった時思い出すだろうことは、西暦何年の〇〇オープンのジョコビッチナダルの試合は・・・と回想するのかもしれない、などと思いました。
そして悲しいのは、老人になってやっと時間など気にせずただ伸び伸びとゆっくりテレビが見られるようになったと自分が思えるようになる頃には、もうジョコビッチナダルも現役ではなくなっている、ということ。過去の録画の試合の中でしか彼らを見られないのだと言うこと。その頃にも、次世代のスター選手はどんどん出てきているでしょうけれど。

結局、ディープスペース9では、司令官は最後、あれは多分亡くなったのだと思うのだけれど、ちょっとやんわりとなっていて、ワームホールの中の高度な次元の知的生命体の所に行ったみたいなことになって話が終わったのではないかと思う。
でもここまで書いておいてこう言うのもなんですが、私はスタートレックの中でディープスペース9はあまり好きではないシリーズだったりする。

カルロ・ロヴェッリ著『時間は存在しない』の感想については、まだまだ書き足りていないように思うのでまた書ける時に書いていきたいと思います。肝心の時間についてどうだったのか、ということについて前回の記事では書いてなかったので。現時点での私の認識は、それはぼやけていて、ぼやけているのは可能性がひしめいているということでもあって、それが「なる」時に時間の流れがあたかも生じたように我々は錯覚するというように読めたのだけど、この受け取り方で正しいのかどうかちょっとわからないので、また考えてみます。  

カルロ・ロヴェッリ著『時間は存在しない』2周目の感想 - Qu'en pensez-vous?

「時間は存在しない」を読んだ - Qu'en pensez-vous?

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