Qu'en pensez-vous?

空間について考えます

リモートワーク/オンライン授業は、均質空間からの退避

新型コロナウイルスの影響で、地方への移住をされる方も多いと思いますし、リモートワークやオンライン授業の方も多いのではと思います。

ひょんなことから突如として、超高層建築オフィス群という均質空間から、住宅、住居というプライベート空間の方が力を持つようになったとも言えるかもしれません。

「住居に都市を埋蔵する」 原広司 著 - Qu'en pensez-vous?

『住居に都市を埋蔵する』という書籍もありましたが、都市が優勢だった時代が感染症の流行によって終焉に向かいつつあるとは意外過ぎます。住居に都市を埋蔵して個のパワーを死守しなくても、とうとう何も主義主張をすることなく個人の住宅、住居の方が力を持つようになって来ているその過渡期に今あるのだろうと思う。しかしまだ過渡期のため、住宅、住居の新たなモデルが示されたとは言えない状態にあるのではないだろうかとも思う。

せいぜい現時点で住居に変更・改修が入った点と言えば、リモートワーク/オンライン授業の際、映りの良い背景のあるコーナーを作る、選ぶ、くらいのものでしかないのだから。 

今までは、内と外の境界を曖昧にするくらいだったのが、今度は本当に外に出て行く感じの方向性になるという内容だったと思う。箱の外に出ること、箱の外側、ストリートも含めて、都市や国土についてもう1回デザインし直すくらいの感覚で考えていく、といったお話だったと思います。 あと、リモートワークする人のための空間デザインについて「そういうブースとかせせこましい話じゃなくて」というお話

アフターコロナの空間デザインについてのお話がありました - Qu'en pensez-vous?

突然、プライベート空間の中にカメラを通して視覚情報として外部に拡散されて行ってしまう空間とは何なのだろう。
他人に見られ体験される空間と言ってみて、単純に思いついてしまったのは昭和の住宅に付き物だった応接間。

一体何のためにこんな部屋があるんだろうといつも不思議に思っていました。ハッキリ言って使いません。無用の長物です。

林望さんの「思想する住宅」を読みました - Qu'en pensez-vous?

その後、画一的間取りのマンションが普及し「応接間」なるものが消え失せたこと、その点だけは良かったのではないかと私は思います。

林望さんの「思想する住宅」を読みました - Qu'en pensez-vous?

リモートワークスペースとは、来訪者を迎える空間である応接間に該当する空間概念の復活なのだろうか?などと思ってしまったけれども、きっとそこまでダサイものでなく、どちらかというと、この頃良く言われるワーケーションの自宅バージョンの方に属する空間なのだと思う。寛ぎ空間の中で仕事/勉強をする、均質空間ではない自由度の高い空間において仕事/勉強をする、そういうことを意味しているのだと思う。
これほどまでに、一挙に、強制的に、均質空間からの退避が起こったことがこれまであったでしょうか。

管理人宅では、上記の通り、カメラに対してせいぜい背景に注意するくらいのことしかできていません。背景に乱雑な中身が飛び出しているようなファイルボックス群が映らないように、アクセントクロスの方が背景になるようにセットするようにするなどの工夫をするくらいです。
少なくとも、小綺麗なアクセントクロスを選んでおいて良かった~などと現時点では思っています。迷っていたもう一方のアクセントクロスにしていたら、ちょっと恥ずかしかったわ~、などと思いながら。
これにもしプラスできるとしたら、観葉植物でしょうか。奥行き感がプラスできる。絵画だとアクセントクロスとの兼ね合いでちょっとうるさくなるかも。
たまに、男子とかだと、リモート画面には上半身しか映らないから下は穿かないとか、上はスーツ下は部屋着とかいう人がたまにいたりしますけど、それヤバイんじゃないの?と思ったりはします。例えば、急に地震が来たとかでとっさに立ち上がったら大変なことになる。救急車の音も入ると良くないので、防音ルームだとより良いようにも思いますが、それはミーティング内容にもよりますね。

アフターコロナの空間デザインについてのお話がありました - Qu'en pensez-vous?

「住居に都市を埋蔵する」 原広司 著 - Qu'en pensez-vous?

HIROSHI HARA:WALLPAPERS の補論2「情景図式と記号場」後半部分を再読してみました - Qu'en pensez-vous?

iPadを子供に買い与えておいて良かった オンライン授業に難なく対応できる - Qu'en pensez-vous?

林望さんの「思想する住宅」を読みました - Qu'en pensez-vous?

急激な変化に適応する(3)建築理論編 - Qu'en pensez-vous?