Qu'en pensez-vous?

空間について考えます

「時間は存在しない」を読んだ

「時間は存在しない」
カルロ・ロヴェッリ 著
NHK出版

今頃になって、ようやくカルロ・ロヴェッリ「時間は存在しない」を読みました。

第10章までは非常に面白く読んだのだけれど、第11章から突然つまらなくなったように感じました。と言っても第13章で終わるので、最後だけ面白くなく感じた、ということで。

第10章まで、結構読むのに時間がかかったというか、頭の中にいろいろイメージを起こしながら読むのが、自分が普段使っていない頭の部分を使っているように感じてものすごく頭脳疲労を起こしました。比喩的に書いてあって、確かに本の帯に「文学的」との評もあるのだけれど、ものすごくイメージを喚起させる文体にしては文学でないものを語っているので、これは一体何だろうという不思議な感覚がしました。最初のうちは、この人好みじゃないわ~、という気はしました。物理学者の本なら、やはり私はブライアン・グリーンがピカイチで読みやすいわ~、時点でリサ・ランドールがわかり易いかな~、などと思いながら読んでいました。
しかし、第7章~第10章くらいのところで、だんだん、このカルロ・ロヴェッリさんて、ブライアン・グリーンとかリサ・ランドールとかよりも、物理学者として格上なんじゃないか、と、だんだん読んでいて気付き始めました。ブライアン・グリーンさんは、説明的で、内容は、それは超ひも理論の人だから書いてあることは難しいけれども一般人や文系人でもわかるように、文字を順に追って読んで行けば別に特殊能力が無くてもある程度はこの世界がどうなっているのかわかるように書いてある。リサ・ランドールも同様。
ところが、このカルロ・ロヴェッリさんは、何だか彼らより秀でた才能があることがただの一般人でも、文章から窺い知ることができました。一見、易しく比喩的に書いてあるように見えるのだけれど、実際にはものすごく脳内に何らかのモデルのようなものをイメージさせるように書いてある。ブライアン・グリーンとか、リサ・ランドールとかみたいに、言葉で説明して読者にわからせようとするのではなく、イメージさせるように仕向けてくる所が、きっとこのカルロ・ロヴェッリさんは、それがきっと普通のことで日常的にしていることなんだと思った。
この世界は物ではなく出来事でできている、とあったり、離散性の話も出てきますので、やはり、そのような考え方が世界的に主流になっているのだな、ということもわかりました。多分、数学からの援用なんだと思いますが。

更に1、2周くらい読んでみないと、頭に着かないというか、幻のように頭の中からすぐにすり抜けて行ってしまう感じなので、再度読んでみるつもりです。

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