Qu'en pensez-vous?

空間について考えます

朝日新聞に伊東豊雄さんのインタビュー連載がありました

朝日新聞の「語る 人生の贈りもの」の欄に、建築家の伊東豊雄さんのインタビューが何と16回にわたって掲載されていました。一体いつまで続くんだろう、ずいぶん長い連載だな~と思いながら見てました。新型コロナウイルスの影響で、1人への取材で長く持たせようとしているのだろうか、と思ってしまいましたが、でも一番最初にご病気のことが書いてあったので、これまでのことを存分に語って頂こうということなのだろうなあと思いました。
私は、一番最後の16回目の内容が、タイトルも含めて一番気に入りました。やっぱり、伊東豊雄さんの建築って「美しい」建築なのだと思う。このブログでも前々から書いているように、美しい。あれこれ理論を言わずに、素材が大事とも言わず、かといってぐにゃぐにゃした建築を作ってしまうことも無く、見て「綺麗」「美しい」と人が思える建築を作る人ってどのくらいいるだろうか、と考えた時に、「美しい」という言葉から私が連想する建築家は、伊東豊雄さんと山本理顕さんのお二方という気がします。美の方向性はそれぞれ違ったものがあると思いますけれど。伊東豊雄さんは、ヌボーッとした肉感的なコンクリートで、ますます有機的になって来ており、山本理顕さんの方は(表現がおかしいけれど)バーコード的な美しさがあると思う!?
結局のところ、伊東豊雄さんは勝者となったのかもしれない。現在の状況を考えると、隈研吾さん設計の新国立競技場はどうなるのかもわらかぬ運命となってしまっている。千葉県が幕張メッセにベッドを設置し臨時医療施設にするというニュースも出ていましたので、新国立競技場もそうした使われ方をされるようになるのかもしれない、と頭をよぎってしまいました。
そして困ったことに、伊東豊雄さんのプリツカー賞受賞の決定打である「みんなの家」などに代表されるように、これまでの建築は人々が集う方向で作られてきたものが、今は人と人は離れていなければいけないという状況なので、建築においても劇的な変更を迫られているということも大変な事態だと思う。
少なくとも、住宅の価値や意義は増しているように思うけれど。この状況下、快適な住宅に住んでいた方が幸せに過ごせるのかもしれないという意味で。

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