ル・コルビュジエの浮かぶ建築
難民避難船への再生に導いた女性たちとその物語
ミシェル・カンタル・デュパール 著
古賀順子 訳 遠藤秀平 監修
鹿島出版会
いきなり、表紙のタイトルのフランス語表記から誤植があってどうしたのかと思わされますが、中めくって、横書きで書いてあるところにはちゃんと正しい綴りで書いてあります。
で、読み進めて行ってだいぶ行ったところで同時代の世界情勢みたいなのが書いてある所で、マーティン・ルーサー・キングと書くべきところを、マルタン・ルター・キングとフランス語読みでキング牧師のことが書かれてあったことに、ちょっとビックリ。
ルイーズ・カトリーヌ号 アジ―ル・フロッタン について述べられた本。
結構ロマンを感じる内容です。
最初は一体、この本は一体大丈夫!?何なの!?と思うような内容でしたが中盤辺りから本気が出てくる感じで、ルイーズ・カトリーヌ号を話の核としたコルビュジエ論とか、コルビュジエ建築の総括のような内容になっていてわりと面白いと思いました。
150頁の最初の辺りが印象的でした。
一部引用しますと、
「住宅は住むための機械である」という言葉は、真意を的確に表していないとのこと。「家は、生活の宝石箱でなければならない」というのが真意であって幸福を生む機械なのだ、と述べられています。
「そうか、なるほど~」と思いました。
いろんな意図が結びついてある物事が成り立って目に見える形で現われてくる、そういう何か、人の意思と現実化という大きな流れやロマンを感じさせる内容となっています。