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ファッションデザイナーのカール・ラガーフェルドがこの世を去りました

2月19日にファッションデザイナーのカール・ラガーフェルドが85歳にて逝去したとのニュースがありました。シャネルのデザイナーに就任してから36年だったそうです(フェンディ、シャネル、カール・ラガーフェルド、3ブランドのデザインを続けてきました)。

カール・ラガーフェルドと聞いて真っ先に思い浮かんだのは、彼自身が身にまとっているあの特徴的な襟をした白シャツでした。
『あのおじさん、どうしてあんなに襟高のシャツを着ているんだろう、まあ自分でデザインしたんだろうけど』などと思ってましたが、あの首全体を覆うほど垂直に高い襟がトレードマークというか、カール・ラガーフェルド=首を覆う襟ですね。

ファッション好きな友達がいた影響か、そうですね、管理人が中学生か高校生の頃には、もうカール・ラガーフェルドの名前も姿も「ファッション通信」などのテレビ番組を通して見聞きしていました。そもそも、カール・ラガーフェルドという名前の響きだけでも十分に威圧感があり、カール・ラガーフェルドがいないファッション界など想像もできないというほど君臨して来た人物だったと思います(フェンディ、シャネル、カール・ラガーフェルド、3ブランドのデザインを続けてきました)。カリスマ性がありました。亡くなったなんて信じられません。
その当時から、黒サングラス黒スーツについては変わってないですよね。品格を漂わせている人。最近の姿は品格というより少々奇抜さも感じます。確かに格好良いのですが、昔の姿も落ち着いていてそれはそれで良かったと思います。

モードの中心地はフランスということでフランス語のニュースサイトでは、もちろん大きく報じられていました。襟高シャツ、後ろで結んだ髪の毛、クロムハーツのジュエリーなど外見上の特徴の言い回しなど、このニュースのスクリプトをフランス語の勉強のためにプリントアウトしておきました。
様々な画像や動画など見てみると、特徴は襟高のシャツなどだけではなく、指先までは覆わないグローブをカール・ラガーフェルドは必ず身に着けていたことがわかりました。
首と手指は、皺や衰えが良く見え、老化がわかりやすい部分でもあるため、きっと隠したかったのだろうと思いました。しかし、老化を隠しているとはわからないほどのファッション性の高さですよね。真意には気付きません。お洒落のためとしか見えません。

いろいろチェックしているうちにわかったのですが、カール・ラガーフェルドは60歳を過ぎてからダイエットをして42キロも痩せたんだそうですね。よくも100キロを超えるまで太ったものですね。一体何を食べてそうなってしまったのでしょうか。
ラガーフェルドダイエットあるいはスプーンライトダイエットと呼ぶのか、そのダイエット法を記した本も出版しているらしいですが、ネット上にもフランス語で概略を書いてるものがありましたので、これもフランス語の勉強になるかと思いプリントアウトしました。

↓左がスプーンライトダイエットについて、右がいつも見ているフランス語ニュースの2月19日付の訃報をプリントアウトしたもの。↓

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しかし、いろいろ動画も見てみましたが、ダイエットしたわりには、カール・ラガーフェルドの足腰は若者のようにしっかりしていて、高齢者とは思えないしっかりしたスタイルでした。どうやらプロテインを飲んでいたようですよ。そのダイエット法にそう書いてあります。筋肉量が落ちない方法のようで、医師の指導の下に行わなければ実行が困難なプログラムのようです。
足腰が逞しいだけでなく、異様に姿勢も良いですね。背筋がピンとして、どこから見ても80歳代の姿勢には見えません。

でも、そこまでして、13ヶ月で42キロ痩せて、彼自身がカリスマとなって、ブランドの宣伝をしなければならない立場にあったのかもしれない、ということは少し思いました。痩せてよりカリスマ性のあるルックスを手に入れたことで、メディア露出が晩年多かったようです。「『ディオール オム』の細身のスーツが着たくてダイエットを始めた」というのが本当の理由らしいのですが、でも実際には、体重が100キロを越えていたら、健康診断などは受けるでしょうから、そういう時に医師から猛烈に怒られて、延命のためというか、痩せて健康体になるためにダイエットを始めた、というのもあるんじゃないでしょうか。それは著書には記してあることなのかもしれませんが読んでいないのでわかりません。

カール・ラガーフェルドはドイツ人ということで、フランス語は母国語ではないのに非常に堪能です。語学全般が得意らしく数か国語を操るとのこと。フランス語は確かにカール・ラガーフェルドはネイティブではないので、あまりカール・ラガーフェルドのしゃべっているのを(フランス語学習者が真に受けて)聞きすぎるのは良くない気はしました。通じるし、早口だし、上手いんですけど、ネイティブ特有の発音の籠り感みたいなのが少し薄い気はしました。カール・ラガーフェルドアヒル口で早口で良くしゃべる人ですね。

ファッションの世界は凄まじく過酷なのじゃないのでしょうか。女性デザイナーの自殺もよくある業界ですし(芸術系の職業に就く女性の自殺率が高いというデータがあるのだそうです)、ファッションデザインの世界というより商業であり産業であって、とにかくお金を稼がなければならない世界、と推測します。というのも、コム・デ・ギャルソンのデザイナー川久保玲さんが、いつも何か、絶望的な発言をしているように思うので恐い世界だな~と常々思ってきました。少し前にも川久保玲さんが「仕事に楽しみは感じない」とインタビューで答えたとかで、相変わらず殺伐としている!と思い恐くなりました。

カール・ラガーフェルドからは殺伐としたものは感じなかったですけれどね。逆に華麗に見えました。
そんなことで、ファッションの世界、お金を回すには、デザイナー自身がカリスマになってブランドを世界中に知らしめる、ということが必要な世界なのかな?と、思ったりしました。
それにしても、カール・ラガーフェルド不在の地球になったことは衝撃です。
アメリカ版ヴォーグの編集長アナ・ウィンターが「世界は今日、巨人を失った」とコメントしたそうですが、その通りと思います。
シャネルの後継デザイナーはヴィルジニー・ヴィアールと発表されたそう。カール・ラガーフェルドの右腕だった女性デザイナー。デザイナーが女性に戻ったことは原点回帰で、ブランドにとっては良いことかもしれませんね。

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