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「サピエンス全史」について今更ですが感想を挙げます(どちらかというとディスってます)

もう1、2年前くらい前からベストセラーでかなり売れた本なのではないかと思いますが、とうとう私も「サピエンス全史(上下)」を読みましたので、あまりに遅くなってしまわないうちに感想を挙げておこうかと思います。

サピエンス全史 
文明の構造と人類の幸福
ユヴァル・ノア・ハラリ 著  
河出書房新社

何だか話題みたいだから「サピエンス全史」読みたいなあと思いながら、広告掲載の著者の顔写真が異様に胡散臭く感じ、買いもせずに時間だけが過ぎ去っていたある日、ふと会話の中で旦那さんが「サピエンス全史」を既に持ってたことがわかり、「そんなの早く言ってよ、読みたかったのに」などと言いながら、オフィスに置き去りになっていた上下2冊を旦那さんから持ち帰って来てもらって借りて読むことができました。ついでに言えば、本を借りられたことは、その時生じていたケンカの停戦として役立ちました。
借りられることがわかってすぐ、私が「読んでどうだった?」と旦那さんに聞いたところ、「生物学が~~~」という風に言い始めたので、「そんな内容なの?え?違うでしょ?違うんじゃないの」と私は言ったのだけれど、結果、上下巻読んでみて、旦那さんのこの本に対する見解は完全に誤っていることがわかりました。生物学的な話が書いてあるのは、ほぼ最初の章と一番最後の章のみ、それも専門的な内容ではなく、誰もが知っているようなことしか書いていない。旦那さんの趣味として、生物学系の本を好む人なので、たぶん「サピエンス全史」もホモ・サピエンスと言うからには生物学の話だと誤解して間違えて買ってきた、としか思えませんでした。なんと、下巻を私が読み始める時、下巻には少しもページをめくった形跡がなく、栞用の帯紐は最初の強くプレスされた状態で、まったく読んでいないことは明らかだったので、後から旦那さんに問い正すと「読んでない」とのことでした。生物学の専門書でないので興味を失ったとのこと。確かに、アマゾンのレビューでも「看板に偽りあり」との感想を見ましたので、「サピエンス全史」というタイトルから内容を誤解する人も一部にはいるのではないだろうかと思いました。

私としては、ハッキリ言って、上巻を読み終えた時点で、もうこの著者には付き合いきれないと思い、もはや読むまいと、下巻は放置してもう二度と読まないつもりでいました。
ところがやはり、数週間してまた読む気になり、結局下巻を読み切りました。下巻は猛スピードで一気に読んで、下巻の方が私としてはまあまあ面白かったというか、このヤバ過ぎる著者でも、下巻の方は比較的まともに書いているように思いました。単に、上巻を読んだ時に受けたこの著者からの毒がとうとう全身に回ってきて、下巻を読む時には自分の感覚が麻痺し切っていただけかもしれません。
一番の感想としては、「サピエンス全史」の著者ユヴァル・ノア・ハラリさんはかなり頭の中がヤバイと思いました。
どうしてこの本がベストセラーになり、皆がもてはやすのか良くわかりません。博識なのは確かだと思います。しかしこの人、完全に資本主義の毒に侵されていると思いました。そして爆弾発言を繰り返して誤魔化すだけで中身のない話が多いと思いました。

下巻を読み始めて少し面白い、と思えたのは、上巻の問題提起の答えと成り得ることが書いてあると思ったからです。
なぜサピエンス以外の人類、ネアンデルタール人デニソワ人をはじめとする人類はいなくなってしまったのか。一番最初の章にもきちんと虐殺もあり得るということも書いてありましたが、その時点では読み手としてはありありとその惨状も理解できないし、サピエンスが持つそこまでの残虐性にもハッキリと気が付いてはいません。
しかし下巻に入ると、ナチスのことが出てきます。ユダヤ人大量虐殺のことが出てきます。
たまたまそのあたりを読んでいたちょうどその頃、当家の者が、学校でホロコーストの映画を見た、恐かった、信じられない、と言って顔面蒼白、震え上がって帰宅したという一件がありました。ユダヤ人の人達がガス室送りなって・・・アンネ・フランクチフスで死んだ、という生々しい史実を改めて一から滔々と聞くことになったという偶然が重なりました。
このことと、ネアンデルタール人をはじめとする、我々以外の人類が一体どうなってしまったのか、ということが、一瞬にして私の頭の中で重なり、理解できたように思いました。

そういうこともありうると思いました。自分たちのことだからわからなかったけれども、ホモ・サピエンスというのは本当はものすごく恐ろしいことを平然としでかす生命体なのではないかということがわかり、愕然としました。


ネアンデルタール人の他にも、ホモ・フローレシエンシスという人類が出てきますけれど、このホモ・フローレシエンシス、浅黒い小人の人達と言われ、以前読んだことのある英国人作家のフィクションにこの小人が出て来る話があって、それは我々サピエンスと共存している小説でした。そのことから、私たちサピエンスではない人類がいたんだな~ということはずっと頭の片隅にはありましたが、それは小説であって作り話と思っていましたけれども、イギリスの巨石文明がある辺りは歴史も古いだろうから共存が実際にあったとしてもおかしくはないと今回思いました。実際「サピエンス全史」中に、交代説の他に交雑説について触れていおり、ゲノム解析で明らかになっていることでもある、とあります。


さらに、「ネアンデルタール人はなぜいなくなってしまったのか?」という問いへの、5ちゃんねるバージョンの答えとしては、「火星に移住した!」とか「地底人になった!」とかいうものだと思いますが、そんな突飛なことがあったとしてもおかしくはない気がします。超古代文明が存在していたとしたら、ネアンデルタール人が火星に移住していたとしてもおかしくはないですし。科学的な根拠が示せないからNGとなっているだけのことで。生きてくれていた方が、大虐殺があったと考えるより、サピエンスとしては気が楽になる。


このような調子で、下巻になってからは比較的面白く読んでいた・・・と思ったら、やはり最後の方に爆弾がありました。その爆弾によって、今度こそ、著者ユヴァル・ノア・ハラリさんへの評価はダダ下がりしました。個人的にはアウトです。広島長崎の人たちも怒っているのではないでしょうか。
それは下巻209ページの真ん中より後ろにあります。ここではそれが何であるか書きません。いろいろ問題があるかもしれませんので、気になる方は詳細はご自身にてご確認下さい。

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