東京・六本木にあります国立新美術館。撮影したのはずいぶん前です。旧ブログには掲載していなかったようですが(あまり好みでなかったので載せなかったのでは?)、ストック写真としてありましたので今回ようやくピックアップします。故人となってしまいましたが、黒川紀章さんの建築です。
黒川紀章さんというとメタボリズムの人として知っているくらいです。そもそもメタボリズムという概念が、あまり建築界のモードにおいて主流と成り得なかったという経緯があるのではないかと思います。むしろ時を経て有名になったのは、メタボリックシンドロームという、医学的な意味での「メタボ」、要は太り過ぎのことを言う時にメタボという言葉を使用する機会が近年では圧倒的に増えたために、若年層の世代では建築におけるメタボリズムという概念があったことを全く知らない人の方が多いのではないでしょうか。私も良くは知らないのですが、新陳代謝するような建築、ということのようです。
黒川さんの建築は、自然との共生を目指したもっと有機的な外観をした建築もあるのではないかと思われますが、この国立新美術館は、これでも控えめな方なのではないでしょうか。メタボリズムというと、どうしようもなく古古しいイメージがありますが、国立新美術館は比較的現代的にまとまっている感じがしますね。たまにCMなどでも見かけたり、雑誌などにも載っていたりもします。概念的には勝者になれなかったかもしれないけれど、その割には、違和感なく各種メディアに登場してくる建築です。
上野の不忍池の近くに、黒川紀章さんの建築ではないのですが、一つメタボリズムの建築があったのですが、すでに取り壊されたはずです。そんな感じで、消え行く建築もかなり多い感じです。