報道されているように様々な問題があるようですが、何はともあれ「決まって良かった」という感じではないでしょうか。
これで事が動き出したのだから、あとは進むしかない。「祝・隈研吾さん」という感じですかね。私としても、隈研吾さんの建築を見続けてきた甲斐がありました。
「工期を守る」この状況下では、これが一番重要なことでしょうね。
報道では、ザハ案の頃からの準備期間があった大成建設側が元々有利だったとありますし、ザハ案にそっくりだとの伊東豊雄さんからの指摘もあります。
「リスクを回避し、チャレンジを躊躇した、だからA案になった」とも言われています。B案の方は、工期短縮のために、屋根を柱で支えず、ワイヤーで吊り、吊りながらスタンドの工事を行えるので早く作れます、という提案だったらしいのですが、シンプルな構造、従来の工法を採り、見通しがつきやすいA案の方が確実視された、というお話もありました。
これ、すべてテレビで聞いた話です。家の者がつけていたテレビで細かくやってました。最近よく見る建築エコノミストの森山高至さんも出て解説していたのでしばし見入ってしまいました。
ワイヤーという話を聞いて、B案の図をよく見てみると、確かに、美しい列柱の外側に縦にワイヤーのようなものが降りているように見えますね。これは本当に屋根を吊っているワイヤーがそのまま残っているのか、新たな構造物なのか?ちょっとわかりません。
屋根を吊ったワイヤーをそのまま残さなければならないとしたら、あまり美しくないかもしれない。そこのところが、テレビでちらっと見ただけなので良く分かりませんが、ワイヤーが残っているとしたら、少々騙された感じがしないでもないですけれども。
とりあえず決まって良かったと思うし、隈研吾さんってすごくなったものだなあと思う。新歌舞伎座だけでもすごいと思っていたけれど、新国立競技場となると、これは大ごとです。国家プロジェクト。そのうちGAJAPANが、全ページ新国立競技場のPLOTになりそう。
伊東豊雄さんは、プリツカー賞も取っていて偉いのですけれどもね。本当にB案美しかったのに残念。ワイヤーがあってもいいからB案の建築の実物を見たかった。伊東豊雄さんの美しい感じの作品見てみたいです。
建築ウォッチャーなのに、伊東豊雄さんの作品はほとんど見てきませんでした。作品集は1冊持ってます。
「工芸になってしまってはダメだ」みたいな伊東豊雄さんの発言を以前建築雑誌で読んだ気がします。工芸っぽいと言ってしまえばそうかもしれないけれども、そうでもない要素もある。
パッチワークキルトのヘキサゴンをプリントしたようなデザインの、大きな覆いが天井から垂れ下がっている建築とか、ミキモト銀座のジュエリーっぽい建築とか、そういうのは工芸風と言えば確かに工芸っぽさはあるかもしれない。
伊東豊雄さんの比較的近年の作品の中でいいな、と思ったのは、多摩美術大学図書館の天井から半円形のコンクリートが林立して垂れ下がっている建築ですね。建築雑誌で見て、綺麗だなと思いました。
でも、昔の作品の方が好きかもしれない。ホワイトUという、コンクリートの住宅。作品集でしか見たことがないですが、すごく綺麗だと今でも思ってます。
伊東豊雄さんは、コンクリートがすごく得意なんじゃないのかなと思うんです。流動的な形態でコンクリートを使うイメージ。
他には、四国に、今治市伊東豊雄建築ミュージアムというのがあって、伊東豊雄さんの建築が体験できるゾーンになっているようです。伊東さんの自邸のシルバーハットと同じものが建っているようです。