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空間について考えます

新国立競技場 伊東豊雄さんのB案が好きです

新国立競技場、A案:隈研吾さんとB案:伊東豊雄さん、だそうで。

一見しただけで、どちらが誰の作品かハッキリわかりますね、これは。

私は、Bの伊東豊雄さんの方が良いと思いました。

旧ブログの頃から、私のブログでは隈研吾さんの建築写真は取り上げたことはあっても、ただの一度も伊東豊雄さんの建築写真をカメラに収めたことが無いくらい、それほど好みではなかったのですが、今回の新国立競技場に限っては、伊東豊雄案の方が輝いて見えるのはなぜでしょう。

というか、最近、隈研吾さんは、だんだんヤバンギャルド化してきている気がしないでもないのですが・・・。(ヤバンギャルドというのは、建築史家の藤森照信さんの作品について充てられた表現らしいですが・・・)あるいは、このA案の緑化テラス状になっているのが、藤本壮介さんかと見紛うような感じと言いますか・・・。白くないので藤本壮介さんではないですね。しかし、本当にヤバンギャルドみたいになってきてしまってどうしたのかと思って見ているところです。
私の予想としては、もっと、ユニットストラクチャーな感じ、小さなパビリオンとかの作品を巨大化したようなものが出てくるのかな?と予想していましたが、ぜんぜん違いましたね。
上部の屋根の部分が、イメージ図では白~グレーに見えるけれども、あの部分の素材は鉄だったりするならば、実際にはイメージ図と違ってもっと光の反射で鋭く白く光るのかもしれない。そうだとしたら、木の部分と対比的でものすごくかっこよく見えるのかもしれない。
植物が生え揃ったイメージ図の右下に、米印があって、30年後の状態みたいに書いてあったのがテレビで一瞬見えたように思ったのだけれど、そうすると完成直後は、図のイメージとはぜんぜん違ったものになるのではないでしょうか。

伊東豊雄さんのはすごく綺麗だけれども、地上を歩く人から見たら、巨大過ぎてぜんぜん上の方がわからないというか建物の全貌が良く見えなくて、屋根や列柱ばかり大きく迫って見えるかもしれない。
イメージとしては、槇文彦さんのテレビ朝日新社屋みたいな感じなのだろうか?あれよりももっと高さがあるかもしれないし、ずっと巨大かもしれない。
地上を歩く人から見て建築物として自然に見えるのは、A案の隈研吾さんの方なのかもしれないと思うけれども、形として綺麗なのは伊東さんだと思う。座席が赤、というのは、たぶん、この赤を気を付けないと、とんでもないダサさに陥るのかもしれない。艶消しの赤にするか、極度につやつやの赤にするかしないと、すごくダサくなるかもしれない。でも、思いの外セクシーな感じになるかもしれないですね。
伊東豊雄さんの方の競技場だったら、すごくおしゃれというか、綺麗で美しいだろうから是非見に行きたいと思う。

でも、似たような傾向のお二方なので、どちらが選ばれてもケンカになることもないだろうし、出てくる表現が違うだけで考え方は非常に柔軟なお二方でタイプも似ている(水と油の関係ではなさそう)と思うので、どちらが選ばれても大丈夫そうじゃないですか?その点見ていて安心できる。

さっきも槇文彦さんと書きましたが、私としては、国立競技場跡地の道を一本挟んだところにある、東京体育館のことが気になります。東京体育館、銀色のカブトガニみたいなの、槇文彦さんの建築のはずです。槇文彦さんが、新国立競技場も手がければ良かったのではないかとずっと思っていたのですけれども。そもそも、ザハ案を見直すべきと言い続けてきたのも、槇文彦さんだったのではないかと思うのですが。
ですので、私としては、槇文彦さんが作って、東京体育館とシリーズになるような競技場を作れば一番景観として綺麗にまとまるのではないかと内心ずっと思っているのです。もうあり得ませんけれどね。

そしてやはり、この問題は、安藤忠雄さんに尽きるのかもしれません・・・。
新国立競技場のための番組でなく、プリツカー賞を受賞したSANAA(サナア:妹島和世西沢立衛)の特集番組が、以前NHKで放送されていたのをたまたま見たのですが、確か、主にルーブルランスのプロジェクトについて出ていたはずですが、最後の方では新国立競技場の話も出ていました。最終案として残ったのが、ザハ案とSANAA案だったと思いますが、その番組中にバッチリ放送されていましたよ。安藤忠雄さんの口からは流線形、流線形。ザハ案の流線形をほめちぎり、SANAA案が「ひらひらしている」「そこは開いてるの?」ということで却下。ザハ案に決定。という流れで、NHKで放送されていた番組を、見てしまいました・・・。 

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