Qu'en pensez-vous?

空間について考えます

宇宙を織りなすもの ブライアン・グリーン

宇宙を織りなすもの 上下 ブライアン・グリーン 草思社

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専門的知識が無くても一般人でも読み進められる、わかりやすい語り口で書かれた物理学者ブライアン・グリーンによる宇宙論です。

「何でわざわざそんな難解な本を読むの?」と思う人もいるかもしれませんが、やっぱり人間として生きてる以上、利益をあげてご飯を食べてテレビを見て笑っていられればそれでいいってわけじゃないのです。なぜなら人間ってのは知的生命体なんですからね。自分が生きているこの世界が一体どうなっているのかということに関心を持つのは必然なのです。

ブライアン・グリーンは「エレガントな宇宙」という本の方が有名らしいですが、私はこの「宇宙を織りなすもの」からいきなり読みましたが、きめ細かく書いてあって良かったと思います。難しいけど読んでみて良かった。しかし、読んだのは数年前、今では細かい内容はすっかり忘れてしまっています。ただ、大筋の流れみたいなのは覚えてます。
これを読むと、他の物理学の本、リサ・ランドールの本とかも、部分的に重複する内容もあるので必要無ければその部分だけ飛ばして読むこともできます。

目次
第一部 空間とは何か
第二部 時間とは何か
第三部 時空と宇宙論
第四部 統一とひも理論
第五部 空間と時間への新たな挑戦

第一部では基本的な流れが書いてあります。何やら困った問題があるようで、一般相対性理論量子力学との辻褄が合わないので、統一理論というのを作ろうとしたが上手くいかない。上手くいきそうな理論として超ひも理論というのが出てきた、ということらしいです。
一番面白いのは、第四部あたりかと思います。超ひも理論がどのようなものであるかについて書いてあります。
プランク・スケールとか、ものすごく小さいので隠れている、ひもが振動しているとか、粒子への影響とか、超ひも理論はたくさんの次元を必要とするもので10次元必要、とか、カラビ=ヤウ図形とか、いろいろ書かれていますが、一番重要と思われるのは、下巻の194ページ中ごろから195ページに右脇に点が振ってある文章のあたりだと思います。該当部分を、書籍より引用。
『追加次元の正確なサイズや形は、ひもの振動パターンに大きく影響し、その結果として、粒子の性質にも絶大な影響を及ぼすのである。宇宙の基本的な成り立ちは、粒子の性質に敏感に左右されるから、宇宙の法典は、カラビ=ヤウ図形の幾何学に書き込まれていると言えるかもしれない。』

ただ、この本を読むのが大変だったので、「エレガントな宇宙」は読んでもいないし、近年に出た「隠れていた宇宙」というのも上巻を読んだまま下巻は放置中です・・・。ただ、ホログラフィック多宇宙、とかいろいろ面白そうな話があるのでそのうち読みます。
この記事を書くために、さーっと必要な所だけ「宇宙を織りなすもの」を拾い読みしましたが、2回目は読むのが非常に楽でした。ともかく最初は、何のことやら字を追っていくだけでも大変ですが、読む甲斐はあると思います。

本文中に、アメリカの人気アニメ番組「ザ・シンプソンズ」の登場人物が出てくるので、注釈までついています。私は「ザ・シンプソンズ」を昔から見ていますが、最近は録画を溜めに溜めてしまっています。今シーズン26とか27とかの長寿番組です。シンプソンズを知らなくても読めると思います。家族物で、ブラックコメディの主に大人が見るアニメです。

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