Qu'en pensez-vous?

空間について考えます

新建築2017年10月号より

ブログを休んでいる都合で、どんどん情報が遅れていくというか過ぎ去って行くだけので、この機に気になっていたことを書き出しておきたいと思います。


建築雑誌、新建築2017年10月号はわりと面白かったのではなかったかと思います。


建築家の槇文彦さんの論壇がありました。
『建築論壇 槇文彦 変貌する建築家の生態』
という論文が載っていました。大変興味深く読みました。
現代の建築界で起こっている状況を、組織事務所、アトリエ事務所、双方の状況と未来に関して、軍隊、民兵という比喩を用いて語られています。最後には、『新しい共感のヒューマニズム』というお話が出てきて、空間の構成や、形態と姿の関係などの建築の形態論的話も出てくるものの、重要なのは、常に変わらない課題、変わらず大事なものを追求していきなさいといった感じの教えで、締めくくられています。

ヨコハマトリエンナーレ2017空間設計
では、横浜美術館のグランドギャラリーが、トリエンナーレ展示スペースへと変貌しデザインされています。
当ブログ管理人撮影の横浜美術館の内部空間写真はこちら。↓

横浜美術館 その2 - Qu'en pensez-vous?


横浜美術館という一つの建築のど真ん中に大きな余白のような大ホワイエ空間(グランドギャラリー)が備えられていて、多目的に使用できる中間的空間としていつでも機能できるというのは、大変面白い現象であると思いましたし、こうした現象を様相空間的にモードチェンジと呼ぶのだろうなと思いました。
このトリエンナーレのページの見開き3ページ目右側に、「横浜美術館の空間分析」とあり、みなとみらい都市計画のうちの一つの要素としての横浜美術館の空間配置や空間的意味、空間構成が説明されているのを大変興味深く読みました。都市計画の延長空間としてのグランドギャラリーであり、グランドギャラリーとグランモール広場の関係性その他、記号場的な説明が展開されていました。

もう一つ面白かったのもの。
東京大学生産技術研究所 千葉実験所 研究実験棟Ⅰの、テンセグリティ構造モデルスペース(ホワイトライノII)
が、ものすごく形態がかわいいです。テントのような形態。「テンセグリティ」という構造だそうですが、大変みたいです。タワー型と五角錐型のテンセグリティが支えるドームとのこと。

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