Qu'en pensez-vous?

空間について考えます

ワープする宇宙 リサ・ランドール

ワープする宇宙 リサ・ランドール NHK出版

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ブライアン・グリーン「宇宙を織りなすもの」を先に読んで、その後に、リサ・ランドール「ワープする宇宙」を読んだために、こちらの方が記憶に新しいです。
こちらは、各章の終わりに内容のまとめが箇条書きになっているので、その点便利にできています。

目次
Ⅰ部 空間の次元と思考の広がり
Ⅱ部 20世紀初頭の進展
Ⅲ部 素粒子物理学
Ⅳ部 ひも理論とブレーン
Ⅴ部 余剰次元宇宙の提案
Ⅵ部 結びの考察

ブライアン・グリーンが「理論様」なのに対し、リサ・ランドールは素粒子物理学の立場から実験を重視する研究者だったと思います。そして、ブライアン・グリーンは超ひも理論ですが、リサ・ランドールはどちらかというとブレーンワールドの人です。
リサ・ランドールによると、宇宙はシャワーカーテンのような膜で端が存在し、シャワーカーテンについた水滴が私たちの住んでいる世界、という感じの比喩で語っていたと記憶しています。そして、膜も、1枚ではなくいくつも膜があり、移動していてぶつかることもあり、膜にくっついている次元に固有のものがあるということも言っていたと思います。これも読み返してみなければ詳しく思い出せません(すみません)。
他には、超ひも理論では10次元、M理論では11次元とのことです。
ブライアン・グリーンとはアプローチや語り方が違うので、やはり一口に宇宙論と言っても、人によって見えている世界が多少違う感じがします。
ともかく、根気よく読めば、いろいろわかると思います。普通の人でも読めるように書いてあるので忍耐力さえあれば読めると思います。ただし、私などは十分に理解できてはいないと思います。さ~っと雰囲気がわかる程度でも良いかと思います。
他には、この方は女性の研究者ですので、研究のパートナーとアイスクリームを食べながら議論する場面の記述が印象的です。

宇宙を織りなすもの ブライアン・グリーン - Qu'en pensez-vous?