Qu'en pensez-vous?

空間について考えます

東京オリンピックに向けジョコビッチが楽天オープン優勝

ノバク・ジョコビッチ楽天オープン優勝しました!余裕でしたね。試合が早く終わり過ぎて困るくらい。
でも対戦相手のミルマンも頑張っていたと思う。相手がジョコビッチでなければ勝てたのかも。 

ノバク・ジョコビッチ楽天オープンに出場する目的は、東京オリンピックの会場の下見だということを数か月前のWOWOWの放送で聞いて、「へえ~っ、10月にジョコビッチが来日するんだ」と結構楽しみにしてました。

ノバク・ジョコビッチが来日中 - Qu'en pensez-vous?

何度も書きますが、今回の試合は、ジョコビッチは東京2020、東京オリンピックのための下見だったということで、ジョコビッチ有明コロシアムのコートとの相性は結構良いってことはわかったと思うし、軽々優勝したことでオリンピック優勝へのイメージもバッチリつかめたのかもしれませんね。

とにかくWOWOW解説の松岡修造さんも大興奮、有明の観客の皆さんも大歓喜。もちろん私のようなテレビ観戦でも、ジョコビッチが来日試合をしているというだけで、もう至福以外の何物でもない貴重なひと時を過ごさせてもらいました。本当に、神レベル。

東京オリンピックのテニスの試合が本当に楽しみです。ジョコビッチがまた来日してくれるんだな~と思うと嬉しい。

ところで、今年のウインブルドンのレビューはブログに書いていなかったと思うんだけど、もちろんあの歴史的長時間試合はバッチリ見てましたが、胸が詰まるような気持ちになって未だに感想が書けないでいます。
今日の楽天オープン決勝試合の第2セットに入ったくらいの時、私は急に今年のウインブルドンの、ジョコビッチフェデラーの試合のことが脳裏に浮かんできて、あの試合のじりじりとした苦しさみたいなものが蘇ってきました。

あれは見てる方も辛かった。私は結構、テニスはストローク戦が見たいと思うし、ストローク戦が好きなんだけれど、フェデラーって省エネタイプなのか、ネットプレーに持って行きたいみたいであまりストローク戦にならないんですよね。それが見てる方としても結構ストレスで、嫌な感じの試合でした。ストローク戦でダウンザラインでガッツボーズという試合を見るのが好きなので、ノバク・ジョコビッチ×ラファエル・ナダルの試合が最も私は見るのが好きだし面白いと思ってます。まあ結局今年の歴史的長時間試合のウインブルドンジョコビッチ×フェデラージョコビッチが優勝して、苦しい試合でもグルテンフリーと瞑想をやってるジョコビッチが多分勝つだろうとは思ったけれど、本人も勝利の後のインタビューで「不思議な気持ちがする。」と言ってましたね。試合時間が長くなればなるほど本領を発揮するのがジョコビッチで、今回の楽天オープンで見せた短時間試合の連続は、あれはジョコビッチにとっては助走くらいなものなんだろうな~と思いました。

なぜ今日の楽天オ―プン決勝戦第2セットの最初あたりで急に今年のウインブルドンを回想したかと言うと、今日は結構、ジョコビッチがネットプレーをしていたので、ネットプレーに持って行くなんてフェデラーみたい、と思ったことによります。すごく、ジョコビッチは、経験も吸収しているみたい、と思いました。今日、立ち上がり、球が伸びなかったり逆に伸びすぎたりしたようでしたが、ネットプレーに持って行って、それからトントンといつものようにストロークやサービスで勝負してましたね。早い早い、さっさと決まる。

ジョコビッチは来日直後、相撲体験もしたそうで、四股を踏んだりしてテレビカメラに向かって「ごっつぁんです」とか言ってました!
衝撃的なジョコビッチの「ごっつぁんです」!

あと、優勝インタビューの人がセルビア語で挨拶したら、ジョコビッチすごい喜んでました。
表彰式では楽天三木谷社長が賞金目録渡しに出てきてました。私も楽天ユーザーなので、今日ほど楽天を利用していて良かったと思ったことはありません。

東京オリンピックのテニス、楽しみです。錦織圭にももちろん期待しますよ。

ジョコビッチの強さは、グルテンフリー食と修行僧並みの生活習慣から来るのだと知った - Qu'en pensez-vous?

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「小さな建築」や「縮小」の概念はメジャーなのかマイナーなのか

大名古屋ビルヂング&スカイガーデン - Qu'en pensez-vous?

↑少し前の上記記事で本当は思ったことがあったのだけれどまだ書いていなかったので、今から補足したいと思います。 

圧倒的な外観に比べたら、内部空間はこぢんまりとしていると私は思いました。というのは、Google大名古屋ビルヂングを検索して最初に出て来る所のレビューで「ゆったりしている」という表現が幾つかありましたが、私の感想は「え?そうかな?」でした。確かに、やけに大きいタリーズコーヒーはありましたけれど、全体的にはコンパクトな印象が強かったです。

大名古屋ビルヂング&スカイガーデン - Qu'en pensez-vous?

「ゆったりしている」という幾つかのレビューについて。
ゆったりしている、ということを大きなことであると理解した場合・・・。

愛知県に詳しい方に聞いたところ、大きければ大きいほど良い、という考え方が愛知県にはある、と言ってました。エビフライが大きいほど良いというだけにとどまらず(!?)、結婚式や葬儀でのお持たせが特大で邪魔になるほど持たされて帰らせられるということも一例として挙げられ、空間的にも大きく広々としたものが好まれる。
・・・それを言ってしまったら、あらゆる地方、日本のほとんどの田舎ではそういう大きいもの賛美の方の考え方が当たり前なのではないかと思えてきました。

ですので、コンパクトシティとか、小さいことの方が好ましいといった考え方は実はものすごく東京的で、先進的で都会的な考え方なのかもしれない、というふうに突然思いました。 

ですので、当ブログで取り上げているような建築家の方々は、「コンパクトさ」とか、建築が「小さめであること」を良きこととして論じていて、私などもそうした建築家の方々の言葉を信じて生きて来たのだけれども、日本の地方/東京から遠く離れた地域の大勢の人達というのは、そんなことは思いもしないし、この21世紀にあっても「大きければ大きいほど良い」と信じて生きているのかもしれない、という不安がよぎりました。

もしそういう昔風の「大きければ大きいほど良い」という考え方の人達に向かって、隈研吾さんなどのスター建築家が『小さな建築』と呼びかけたとして果たして通じるだろうか?話の意味が通じない人たちが日本中にたくさんいるのかもしれない。そう思って、何となく、ぞっとするようなものを感じてしまいました。 

小さいものが良いというお話は、建築家原広司さんの『集落の教え100』[76]縮小、その他「空間<機能から様相へ>」などにも出てきます。

[76]縮小
すべてのものは、拡大するより、縮小するほうが好ましい。
すべてのものをやや小さめにつくれ。

詳細を読んでみると、実際にはこの逆の事例、拡大する方向で住居や広場が作られる例もあると書いてあるものの、どうやら原広司さんの感性では小さめが美しく、訴えるものがあると感じていらっしゃるように読めます。

この縮小について、私は一番最初知った時はかなり意外に感じたものです。やはり、平凡な感覚では大きい方がいいのではと思ってしまうところを、「ああ、そのように考えるのか。」と開眼させられるような気持になって、それでこの「縮小」について、インパクトを持って考え方のオプションとして植え付けられたと思っています。
(更には、この「縮小」の考え方から、方丈空間へとつながって行き、最終的に「場の誘起」と関連のある「非ず非ず」の論理へと発展して行くのだと思うのですが・・・。ですので、「縮小」の概念は非常に重要な位置付けをされなければならないものだと思います。)

こうして衝撃を持って新しい考え方が入って来ない限り、大部分の人達は依然として「大きいもの賛美」の考え方で一生過ごすことになるのではないでしょうか。そもそも、空間に対して小さいのがいいとか大きいのがいいとか、そんな抽象空間について真剣にイメージして興味を持って考える人口がどれだけいるかということにも関わってくることですけれど・・・。

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HIROSHI HARA:WALLPAPERS の補論2「情景図式と記号場」後半部分を再読してみました - Qu'en pensez-vous?

『小さな建築』 隈研吾 著 - Qu'en pensez-vous?

「集落の教え100」原広司 著 彰国社 - Qu'en pensez-vous?

「空間<機能から様相へ>」 - Qu'en pensez-vous?

エル・デコ8月号の隈研吾さんインタビュー記事 - Qu'en pensez-vous?

ノバク・ジョコビッチが来日中

有明コロシアムで開催中の楽天オープン、ジョコビッチが対プイユ戦でたったの50分で勝利してました!は~(羨望のこもったため息)、またまた強い。いつものことだけれど今日も軟体動物のようによく体がしなってました。
試合後のインタビューでは、ジョコビッチは最初だけ日本語でしゃべってて、「愛してる!」と言ってました!でも、その後の英語でのインタビューすら母国語でないわけだけど、以下の記事中で取り上げた本にある通り、小さいうちに数ヶ国語を身に着けてこうして今に至っているというのが、まさしく選ばれし者だな~と思う。

ジョコビッチの強さは、グルテンフリー食と修行僧並みの生活習慣から来るのだと知った - Qu'en pensez-vous?

ノバク・ジョコビッチ楽天オープンに出場する目的は、東京オリンピックの会場の下見だということを数か月前のWOWOWの放送で聞いて、「へえ~っ、10月にジョコビッチが来日するんだ」と結構楽しみにしてました。観戦チケットは買いませんでしたけど、ジョコビッチが日本にいて、すぐ近くの試合が放送されているっていうだけで大感激です。優勝まであと2つ。今回調子良さそうです。残りの試合楽しみ。

ジョコビッチの強さは、グルテンフリー食と修行僧並みの生活習慣から来るのだと知った - Qu'en pensez-vous?

ジョコビッチグルテンフリーの食事、私も真似して続けてますよ~。と言ってもあまりに厳格にやり過ぎると疲弊するので90%の実践かな~というくらい。ごくたまに買い弁などに入っているフライや天ぷらの揚げ衣には小麦粉が含まれますし、醤油にも含まれますから。それでも、90%くらいは小麦断ちできていると思います。この食事、目覚めが良くなります。

それにしても2000年代、まだジョコビッチが出て来たばかりくらいの頃は、出身国「セルビア」と表示されるだけで、「すごい所から出てきたんだな~。」とか思ってましたが、確かに以下の本に書いてある通り戦禍の中からの登場だったわけだけど、でももう今となっては、セルビアジョコビッチ並みに、国名としても有名というか我々にとってかなり慣れ親しんだものになったし、セルビアに良い印象を持つようになった。そういう意味でも一流のスポーツ選手ってすごいな~と思った。

試合の解説で、松岡修造さんが上記のような話も含めていろいろ話をされてました。松岡修造さんということで解説も豪華でした。

ジョコビッチの強さは、グルテンフリー食と修行僧並みの生活習慣から来るのだと知った - Qu'en pensez-vous?

今週末はテニスのテレビ観戦で決まり! - Qu'en pensez-vous?

〈驚愕〉全豪オープン、ジョコビッチがナダルにストレート勝ち! - Qu'en pensez-vous?

公に語られないことが多くありそう

ところで、フランスのジャック・シラク元大統領が亡くなったというニュースがありましたが、フランス語ニュースの方で見てみたこところ、こんなことが書いてありました。
シラク元大統領の娘さんのうちの1人が拒食症で既に亡くなっているとのことでした。拒食症というとちょっと古い言い方でしょうか、摂食障害ですね。

拒食症に対して、大統領自身は政治家としては過食症的でまるでブルドーザーのようだったと、という皮肉めいた書き方がしてありました。
シラク大統領のことはどうやら一般的に別名ブルドーザーと呼ばれることがあるらしいので覚えておくと良いかも、と思いました。

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大名古屋ビルヂング&スカイガーデン

大名古屋ビルヂング 
設計 三菱地所設計

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5Fスカイガーデンの季節の花、ひまわりは造花でした!

大名古屋ビルヂングは、基本、東京駅からすぐのJPタワー、KITTEとほぼ同仕様に見えました。
圧倒的な外観に比べたら、内部空間はこぢんまりとしていると私は思いました。というのは、Google大名古屋ビルヂングを検索して最初に出て来る所のレビューで「ゆったりしている」という表現が幾つかありましたが、私の感想は「え?そうかな?」でした。確かに、やけに大きいタリーズコーヒーはありましたけれど、全体的にはコンパクトな印象が強かったです。

知らなかったんですが、名古屋って「行きたくない街ナンバーワン」なんだそうです。悲惨なものですね、知りませんでした。私は、今回、純粋に用事があって名古屋に行かざるを得なかったので、こういうことになってるんですが、へ~っ、そうなんですか。それは名古屋、哀れなものですね。
名古屋駅の通路にあるスクリーン付きの広告柱に、俳優の佐藤二朗のお顔と共に「行きたくない街ナンバーワン名古屋」とドーンと出てきて、思わず苦笑というか、あ然というか、「そうか、そう言えば佐藤二朗って愛知県出身だったよな~、う~ん、イメージ通り。」とか思いました。
何となく名古屋が嫌われる理由はわかる気はしますけれど。
何と言っても八丁味噌?あの赤黒い八丁味噌が愛知県の全てを象徴している気がする。八丁味噌は健康にはめちゃくちゃ良いとは聞きますけどね。健康のために、八丁味噌はうちの冷蔵庫にもあります。でも日常的に使っている味噌は信州味噌、当たり前だ。しじみ汁の時や気分を変えたい時、甜面醤の代替などとして八丁味噌を使ったりしている。
きしめん味噌カツ、ひつまぶし。あと、ういろう?
食べ物にすごく特徴がある。で、ホントはひつまぶしが食べたいんだけど、高くて気軽に手が出なかったりするのも困る感じがする。あと、私はういろうが苦手でぜんぜんあの食べ物はわけがわかりません。

KITTEの屋上庭園(三菱地所設計による、JPタワー&KITTE) - Qu'en pensez-vous?

三菱地所設計による、JPタワー&KITTE - Qu'en pensez-vous?

竹中工務店による、名古屋市営金城ふ頭駐車場 - Qu'en pensez-vous?

エル・デコ8月号の隈研吾さんインタビュー記事 

インテリアデザイン雑誌『エル・デコ』8月号に、『隈研吾が目指すスローで小さな東京』という特集がありました。

一般向けの雑誌の方がわかりやすい気楽なお話が読めるのですごくいいなと思っています。日本の木材を用いる、日本には木造建築文化があるということ、優しい建築を作る、などのお話があります。
丹下健三さんの時代の価値観は現代においては見直され、『東京は小さくゆったりとした街を目指す時代を迎えている』とのことでした。少子高齢化などもありますし、コンパクトシティは当然の流れとしても、隈研吾さんのようなスター建築家がそのように発信することで、社会全体が確実にそのように動いていくだろうと予想されますね。スター建築家の役割ってそういう方針を提示することなんでしょうね。

コンパクトシティについては『モダンリビング』2018年5月号にも同様のインタビューがありました。 

こちら、238号は、豪邸特集の他、スター建築家としては、田根剛さんと隈研吾さんが登場されてました。隈研吾さんてどこにでも出ているんですね。隈研吾さんのスペシャルインタビューがありますが、これ結構内容が良いと思いました。『負ける建築』『自然な建築』『小さな建築』を一気に凝縮したようなお話が読めると思います。GA JAPANとかで語っている内容とかよりも良い感じがしました。

ML モダンリビングの豪邸特集が面白い - Qu'en pensez-vous?

『エル・デコ』8月号168頁の下の方、小さめの写真ですが工事途中の新国立競技場の写真が掲載されています。
これを見ると、スポーツ施設にはあまり見えないというか、何となく、お寺のような競技場になりそうな気配がしないでもありません。少々、完成した状態が本当に大丈夫かドキドキするような気持ちはしました。基本、機能面とかは大丈夫としてもディテールが『お寺』だったとしたら・・・。スポーツ施設/スタジアムのみなぎる雰囲気はちゃんとあるのか、出来上がったら全然問題なくカッコイイ、大丈夫だった、というのを期待しています、もちろん。

建築家の作風というのを考えてみると、普段の作風とは違うものがスポーツ施設になると果たして突然出て来るだろうか、というのを考えてみて、何例か、頭の中にスポーツ施設/スタジアムの設計経験のある数名のスター建築家の作品群と、彼らの通常の作品とを思い浮かべてちょっと比較してみました。

どうでしょう、読者の方々も色々イメージすると思いますけれど。

結構、槇文彦さんとかは変幻自在に見えます。施設のスケール、用途に応じて、簡単に、作風というよりもディテールを化けさせられる腕前をお持ちのように見えます。どんなものも器用にそれに適したデザインでこなされている。それでいて、文化施設もスポーツ施設もコンベンションセンターも集合住宅も商業施設も、全体的に見れば統一感があって同一のアーキテクトのものとわかる。

丹下健三さんはそういう意味で言ったら、すごく上手いのかもしれないと思いました。施設の用途と自分のデザインが上手い具合に合致している。一度毎に違うことをやっているように見えても、どれをとっても丹下健三の作品とわかる。

原広司さんなども、札幌ドームとか、ものすごくスポーツ施設っぽかったですね。原広司さんが好んで用いる宇宙的なモチーフはスポーティーなものと意外なほど親和性がありました。そうした宇宙的なモチーフや色彩感覚を携えつつ、近年では幼稚園、かなり前には教育施設なども多数手掛けられていますが、そのような場面ではスポーティーさは陰を潜めており、幼稚園では温かみやポップさ、教育施設ではシャープさだけでなく柔和さなども感じられる作品が多いように思います。京都駅なども宇宙的モチーフは多いものの、どちらかというと渋さや伝統を感じさせるのが不思議なところです。あずまや風ディテールによるものでしょうか。

内藤廣さんとかもスポーツ施設ありますけど、木を使ってますけど全然違和感無い。和風とも思わないしスポーティーでないとも思わない。上手。綺麗。木を使っていて落ち着きがあるのにちゃんとスポーツ施設。建築自体に落ち着きがあるというか貫禄がある。

施設のスケール、用途に応じて、1人の建築家でも多少ディテールに幅があり、デザイン上のヴァリエーションは多岐に渡り、人に与える印象も作品ごとに異なる場合の方が多いのではないだろうか、と思うのですが、隈研吾さんに関しては、ルーバーが登場して来た時代の辺りから、全ての作品が見事なまでに同一の要素、雰囲気でまとまっているのが特徴と言えば特徴となるのかな、という気がしてきています。
最近、隈研吾さんのちょっと違ったものが出て来たなと思ったのは、海外の作品で、あれは英国のV&Aだったのではないかと思うんだけれど、ああいうのが本来の隈研吾さんの形態なのではないかと建築雑誌で見た時にまず思いました。ず~っと昔、M2というのがあったと思うんですが、あれを貫いても良かったのに、とずっと思っていました。きっとM2は世間的には色々言われたのかもしれないけれど、別に悪くないんじゃない?何か悪い?と思いました。あれが隈研吾さんの本来の作風なのではないのかなあ。ジャイアント・オーダーの時代と言うの?わかりませんが、今だったらそれに戻っても誰も文句は言わないんじゃないのかな、と思った。

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朱鷺メッセ その2 - Qu'en pensez-vous?

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『ナショナルジオグラフィック日本版』2018年6月号特別付録に札幌ドーム登場 - Qu'en pensez-vous?

ML モダンリビングの豪邸特集が面白い - Qu'en pensez-vous?

芦原義信さんの『隠れた秩序』を読みました

『隠れた秩序 二十一世紀の都市に向って』
芦原義信 著
中央公論社

読んでから少し時間が経ってしまったので上手く書けるかわかりませんが、以下の記事↓を書いた時に、本当はこの内容で書こうと思っていたんですが時間が無くて今に至ってしまいました。

テニスのマリア・シャラポワ選手の自邸が陰翳礼讃な日本風 - Qu'en pensez-vous?

  

マリア・シャラポワは、自邸内で裸足で過ごしていました。行動面でも日本風ということで更に驚き。

テニスのマリア・シャラポワ選手の自邸が陰翳礼讃な日本風 - Qu'en pensez-vous?

芦原義信さんの『隠れた秩序』で最も印象に残ったことは、日本人は靴を脱いで家の中に上がる、靴を脱いで家族が密接な生活を送っている、というお話です。
西洋の視点から見て、日本の家屋はまるで大きな寝台のようなもので、ベッドの上で人々が大変寛いだ生活を送っているように見える、ということが念を押して書いてあったと思います。

どうやら芦原義信さんは、玄関で靴を脱いで家の中に上がって過ごす日本の住宅について、家屋内がワンルーム仕様の寝台空間であるが故に、他人を自邸に招き入れ歓談したりする社交の場に成り得ないことをあまり好ましいことではないと考えているように読めました。

165頁に『わが国の一戸一戸の住いがそれぞれ大きな寝台で家族がその中で仲よくごろ寝していると仮定すると、これはとんでもない都市構成をもたらすことになる。』
とあります。

これを考えていて、また思い出したのが、原広司さん設計の反射性住居のシリーズでした。建築雑誌の写真でしか見たことはありませんが、『住居に都市を埋蔵する』というコンセプトの下、反射性住居は住宅内部が都市さながらの景観と空間を有しており、このシリーズは、芦原義信さんが懸念を示す日本的な寝台空間とは明らかに異なり、住宅中心に『廊下』という概念に属するものではなく『ストリート』に属する空間が通っており、頭上のトップライトはただの天窓としての機能以上のヨーロッパ風アーケード様の仕掛けとしてあり、それらの左右にシンメトリーにプライベートゾーンが配されるという、非日本的な空間となっていると言えるようにも思います。反射性住居のシリーズは、実はとても西洋的な空間性を有しているのではないかと常々思っています。

これは少々古い本で昭和の時代に書かれたものですから、その時代にはそのように考えられていたのか、とタイムトラベラーになった気分で読んでしまうんですが、165頁から169頁の部分の文章が21世紀へ向けての提言になっていると思います。
まさに現実にここに書かれた通りにほぼなっていると思いますが、幾つかこの時代には思いもよらなかったこととしては、少子高齢化と地方の深刻な過疎化、そして災害の多発だったのではないでしょうか。

これ以外にも、第一章建築の外観について3遠目の建築・近目の建築、第二章3足算と引算の形態ー部分と全体4緑化の哲学、なども大変面白く読みました。

「見えがくれする都市」を読みました - Qu'en pensez-vous?

『くうねるところにすむところ 04 家族をつくった家 芦原太郎』を見てみました - Qu'en pensez-vous?

「住居に都市を埋蔵する」 原広司 著 - Qu'en pensez-vous?

個室についての考え方、書斎やスタディルームを独立して設けるべきか - Qu'en pensez-vous?

竹中工務店による、名古屋市営金城ふ頭駐車場 - Qu'en pensez-vous?